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アリ・スミス『ホテルワールド』
・アリ・スミス『ホテルワールド』(DHC)
ああ、惜しいなあ。あとちょっとの踏みこみで相当おもしろくなるのに。
本書はそれなりに注目している、DHCの海外翻訳シリーズの一冊(最近まったく出なくなってしまったが)。
冒頭のショッキングな独白/シーンから始まる物語は〈グローバルホテル〉という空間を舞台にし「受付係」「ホームレス」「宿泊客」など、5人の女性をそれぞれ主人公に据えた、異なる視点の五つの短篇が、ゆるやかに結びつく構成。
このような小説構造はとても好みなのだが、一つひとつの短篇が正直さほどよい出来ではなく、また、余分なシーンも多いため、やや興が殺がれる。
冒頭でかなり惹きつけるのに中盤で中だるみし、後半はいろんな縦軸が混ざってかなりおもしろいのに、最後にはさほど効果的でない蛇足的ラスト、という実に勿体ないアンバランスさ。
発想と構造はすこぶるよく、ラスト一つ前のシーンではちょっと涙腺も刺激されるのに、まことに惜しい作品だ。次作はちょっと期待という意味で、サービスの☆二つ。
☆☆2005年11月3日読了
ああ、惜しいなあ。あとちょっとの踏みこみで相当おもしろくなるのに。
本書はそれなりに注目している、DHCの海外翻訳シリーズの一冊(最近まったく出なくなってしまったが)。
冒頭のショッキングな独白/シーンから始まる物語は〈グローバルホテル〉という空間を舞台にし「受付係」「ホームレス」「宿泊客」など、5人の女性をそれぞれ主人公に据えた、異なる視点の五つの短篇が、ゆるやかに結びつく構成。
このような小説構造はとても好みなのだが、一つひとつの短篇が正直さほどよい出来ではなく、また、余分なシーンも多いため、やや興が殺がれる。
冒頭でかなり惹きつけるのに中盤で中だるみし、後半はいろんな縦軸が混ざってかなりおもしろいのに、最後にはさほど効果的でない蛇足的ラスト、という実に勿体ないアンバランスさ。
発想と構造はすこぶるよく、ラスト一つ前のシーンではちょっと涙腺も刺激されるのに、まことに惜しい作品だ。次作はちょっと期待という意味で、サービスの☆二つ。
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